大岸弦

火だるま槐多よの大岸弦のレビュー・感想・評価

火だるま槐多よ(2023年製作の映画)
5.0
火だるま槐多よ
大阪十三にある映画館「第七芸術劇場」にて鑑賞 2024年1月6日
パンフレット入手
村山槐多(かいた)(1896~1919)愛知県岡崎市うまれの夭逝(ようせい)の天才画家、詩人 22歳没
村山槐多が蘇る
アニマリズム

タイトルは槐多の友人、高村光太郎(1883~1956)の詩からによる
1935年
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槐多は下駄でがたがた上つて来た。
又がたがた下駄をぬぐと、今度はまつ赤な裸足で上つて来た。
風袋のやうな大きな懐からくしやくしやの紙を出した。
黒チョオクの「令嬢と乞食」。
いつでも一ぱい汗をかいてゐる肉塊槐多。
五臓六腑に脳細胞を遍在させた槐多。
強くて悲しい火だるま槐多。
無限に渇したインポテンツ。

「何処にも画かきが居ないぢやないですか、画かきが。」
「居るよ。」
「僕は眼がつぶれたら自殺します。」
眼がつぶれなかつた画かきの槐多よ。
自然と人間の饒多の中で野たれ死にした若者槐多よ、槐多よ。
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作品「尿する裸僧」まっかっか(がランス)で強く激しい作風に魅せられた法月薊(佐藤里穂)が街頭で道行く人々に「村山槐多を知っていますか?」とインタビューしていると、「私がカイタだ」と答える謎の男に出会う。槌宮朔(遊屋慎太郎)は特殊な音域を聴き取る力があり、過去から村山槐多が語り掛ける声を聴き、度重なる槐多の声に神経を侵食された彼は、自らが槐多だと思いこむようになっていた。
「予知能力」「透視能力」「念写能力」「念動力」を有する(パフォーマンス集団)毒刃社の4人の若者が独自の解釈で再生
その能力ゆえに家族や世間から異分子扱いされ、ある研究施設で”普通”に近づくよう実験台にされていた。
脱走し、街頭でパフォーマンスを繰り広げていた。
小説「悪魔の舌」の影響か、まっかっかのガランス色の舌を使った奇妙なダンスであった。

「ホラー映画」といっていいのではと恐怖を感じた。
大岸弦

大岸弦