shinichiro

火だるま槐多よのshinichiroのレビュー・感想・評価

火だるま槐多よ(2023年製作の映画)
3.7
◎ Aghartaを求めて
村山槐多の第二の遺書から始まる。
槐多亡き後の世界、情報が蔓延る渋谷、若者たち、廃車の瓦礫の山

赤いガランスでほとばしるショッキングでエロスな世界観をなぞる。
一方でエンジュの樹々(槐の木)のふもとで静謐な理想郷を再現する。

毒刃社 悪魔の舌 デスマスク
血染めのラッパ 尿する裸像

外せないデスマスクを模した仮面やエンディングで
'鬼婆'や'ゴダールのマリア'を想起する場面があった。
血に塗る悪魔の舌や目に映る裸像、口の中の灯、男女4人のコンテンポラリーダンサー、槐多に魅せられた2人の交わる影、冒頭から房総半島まで追いかけてくる監視者、ノイズなど、彼に影響を受けた世界観が突き抜けていて爽快だ。
22歳5ヶ月で地獄の底に落ちてゆく第一の遺書で幕を閉じる。
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