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アレンズワースのsukeのレビュー・感想・評価

アレンズワース(2022年製作の映画)
4.5
初っ端から静止画かと思うような変化の地味なショットをかましてきて、画面にのめり込ませる。派手な動きが無いからこそ、わずかな変化や痕跡を通してそこに流れる時間や被写体が示す過去や現在、未来、そしてショットのつながりや関連への思索が促される。そして派手な動きが無いショットによって、そのギャップとして列車や旗、挿入歌や人物、言葉、文字、音の存在が際立ち、さらに記憶やイメージ、過去や歴史が平等には存在し続けられないことが示され、主題となるアメリカの人種問題、不平等にリンクされる。

また、タイトルとその次に提示される映像の因果関係、それが本当にその月を示すかどうかの不確かさも、映画における編集表現というか連続する映像の繋がりやタイトルとの関係を考えるうえで面白かった。
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