karyu

ヤジと民主主義 劇場拡大版のkaryuのレビュー・感想・評価

5.0
まずは「ヤジ排除問題」が起こった札幌で、取材を重ねた成果が映画として上映されることに敬意を表したい。
冒頭に出てくる当事者たちと警察のやり取り映像は雷にうたれたような衝撃的映像で、素直に怖さを感じた。だけどそれ以上に怖さを感じたのは、反対意見を言えない世の中の空気感だったと思う。「ヤジそのもの」と「その人の人格の評価のようなもの」がごちゃ混ぜになっていて、ヤジ(反対意見)を言うこと・言う人は良くないという価値観で占められているのではないかと思う(下品な言葉を使うこと事態は自分も好きではないが)。実際にヤジを止める側の人たちの中にはそういった心理を持っている人もいたのではないかと愚察する。
行動力がそれほどない自分が今できることは、この映画が色々な立場の人たちに見てもらえるように応援していくことか。ヤジ反対派の人たちも、一度当事者の側からの背景やストーリーをこの映画を通して見てほしい。
karyu

karyu