豚肉丸

When Evil Lurks(英題)の豚肉丸のレビュー・感想・評価

When Evil Lurks(英題)(2023年製作の映画)
4.7
悪魔に取り憑かれ身体が腐ってしまった男を正式な手段を踏まずに殺してしまったため、町中に悪魔の呪いが伝染して地獄と化すお話

これは凄い!容赦の無い陰鬱な展開とゴアをしっかり描いていて気持ちが良い。しかも決してゴア一辺倒ではなく、映像表現もまた凄まじく、徹底的に不快な気分にさせてくる。確かにこれは2023年を代表するホラー映画と評されるのも頷ける。

序盤の空気感がとにかく最高。『悪魔はいつもそこに』のように不安が蔓延る片田舎の様子を二人の兄弟の視点を通じて描くのだが、度肝を抜かれるようなビジュアルの「悪魔に呪われて身体が腐った男」の登場と、ドタバタクライム映画のような犯罪から物語は次第に陰鬱な展開に変わっていく...
特に映画の雰囲気が決定的に変わる場面があるのだが、その瞬間の衝撃の凄まじさ!この映画はこんな感じですよ、とゴアを提示すると同時に今後の展開への期待もさせてくれて、その期待を裏切らないまま物語は進行していくからかなり面白いし、予想を超えてくるような不快なゴアもバンバン出てくるから見ていて衝撃が絶えることはない。
「呪い」の存在がこの世界上の前提として描かれているのも面白い。こういうオカルト映画って「疑心暗鬼→確信!」の流れを踏むものだけど、本作は主人公が最初から信じている状態なのでテンポ良く進んでいき、呪いやルールや祈祷師の存在も全て「そういうものである」と観客を無理やり納得させてくるのが良い。決して置いてけぼりにされる程でも無い情報量だからちょうど良い感じ。
あと何気に、無音にしてから爆音ドーン!というようなジャンプスケア演出も極力排除されていたのも良かった。同監督の『テリファイド』はジャンプスケア多そうで避けてるんですが、本作はゴア中心なのでジャンプスケア苦手でも普通に観られるホラー映画だと思います。

ただ、中盤は少し失速感を感じたのが気になった。ホラー映画のお決まりの流れがどうしても挟まいこの部分は少し停滞感を感じてしまったものの、それでもその後の終盤はまあ最高だったので満足。序盤と終盤が滅茶苦茶最高で不快!面白かった!
日本上陸希望!
豚肉丸

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