Drエメット

アメリカン・フィクションのDrエメットのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.0
おもしろかった。
すごく皮肉だらけで、見てるこっちさえもバカにしてくるような映画。

人種差別はやめましょう的な話をしてる時に、たまにすごい自分の特権を信じてやまない人が言ってんなって思うことがある。自分のが偉いと思ってないと出ない発言だろそれ、みたいな。
もちろん、差別について意識的に是正していかないとマイクロアグレッションを是正できないっていうのがあると思うんで、発言とか自体は必要だと思うんだけど、
そもそも偏見を持ってる人がそういうこと言うと、差別否定してるつもりで発言自体に差別意識含まれちゃってない?ってなるっていう。
そういうモヤモヤを思いっきりバカにして映像化してくれるスッキリ感みたいなのがあった。

ツッコミどころみたいなところも、最後のオチのせいで「そこも計算してますよ」みたいにされちゃう、ちょっとずるいオチ。
主人公一家がエリート過ぎて、でも金ないって言ってるしなんか違和感感じるなって思ってたら、実はそれも映画のための大衆受け演出ですよーっていう。

これがアカデミー賞とかノミネートされちゃうのがまた皮肉な感じでおもしろい。
まあ、冷笑的すぎる気もする。これがメインとして評価されるのは違うというか、たまにカウンターとして必要、ってくらいの映画というか。アカデミー賞ノミネートはいいけど、これが作品賞となるとまた違うでしょっていう感じはする。
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