「アメリカン・フィクション」アマプラにきたので。
小説家で大学講師の主人公はわりと人を見下しがちなタイプの黒人男性。作品の内容と人種が関係してる必要はなく、「黒人文学」とかってくくりたがる風潮を批判していた。
けれども、大学で問題を起こし、自分の新作は売れない横で、「リアル」で「生々しい」と表された黒人女性の作品がベストセラーになり、一方で家族の問題が発生してまとまったお金が必要になり。
ほとんどやけくそで書いた、でっち上げの「逃走中の脱走犯が書いたリアルな黒人小説」があっという間にベストセラーになってしまうという筋書き。
当然出版界に対する痛烈な皮肉なのだけど、映像化の話まで出てきて皮肉る対象はハリウッドにも広がる。
どんな毒々しい話かと思いきや意外と上品だし（やけくそで付けた新作のタイトルはともかく）、話の半分は実は家族の話でしみじみ見てしまう。
兄弟や親との関係は今の私とあまりにもオーバーラップするのでかなり身につまされたりも。
でも、このまま優しい話で終わるのか？と思わせておいて最後はしっかり捻ってあって、見た人を煙に巻く加減がとても好みだった。
