たひち

アメリカン・フィクションのたひちのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.0
突然の家族の死、親の介護の分担、人種によるステレオタイプ、などのシリアスなテーマを扱いつつも、それぞれが触りだけでなくリアルファミリーストーリーらしい人間味を伴っている中に描かれているからか、むしろ軽快に、コミカルに魅せる良作。
主人公のモンク医者家系の中で唯一の非医者で作家であるが、彼の偏屈な文化人感には見覚えがあるような気がする。
しかし、彼は鼻に付くインテリ仕草で無双するわけでもなく、世間から思うような評価を得られないことで吹き溜まっている部分もあり、両極端に振れる人間ではなくそこが憎めない。
ヤケになってみればみるほど思わぬ結果に転ぶし、特に作品名を変えようとするシーンは大爆笑した。
「メタ」感を活かしたオチも、やや読めるけどそれがむしろ相応しいしそれしかないよね、と思わせる。
たひち

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