モロコ

アメリカン・フィクションのモロコのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.0
作品作りをしていると、自分の評価と他人の評価が異なり違和感でもやもやすることがある。
戦略的に一般ウケを狙って、自分らしさとは掛け離れた作品をつくり成功する人もいると思うが、ふざけた本意でない作品が成功した人も多いだろう。
受賞でもしたら、後にも引けず成り行きに任せるしかなくなるだろう。
前に松重豊がドラマ「孤独のグルメ」に出演している事に対して「なんでおじさんが一人でご飯食べてるだけが面白いと思われているのかわからない」と言っていた。
まさに本意とのズレだ。
映画「作家、本当のJ.T.リロイ」でも、ノンフィクションで「アメリカン・フィクション」のような事が起きている。
女装の男娼となった過去をつづった自伝のようなフィクション本を作ったが、実話と思われ、自分は表に出れず、少女を少年作家として演じてもらい、話題になってしまった話。
どこで、真実を言うかタイミングがはかれなくなってしまう。
悪い事をしたわけではないのに、本が自分の手を離れていけば行くほど、自分の作品へのコントロールは難しくなる。
最後のモンクの、自暴自棄感が面白かった。
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