「今大事なのは黒人の声に耳を傾けること」
あまりにも皮肉に満ちた傑作ブラックコメディ。文学に精通した黒人小説家がいかにも大衆が好みそうな小説をテキトーに書く。思いもよらぬ形で話題になる風刺×風刺の多重構造に唸る。
あまりにも面白すぎて、実は立て続けにもう3回観ています。この映画観れば観るほどスルメみたいにもっと楽しくなっていきます。
書店で書籍の棚を移動する行為、その直後の売れっ子作家の棚の展開、あまりにも無意味な議論や黒人のためと言いながら黒人の意見を無視するユーモア。最高です！
あと『アメリカン・フィクション』は卵映画です。
明確に卵は出てきません。
ゲイたちがスクランブルエッグを作るシーンがありますが、セリフで「スクランブルエッグを作るぜ」って言ってるだけです。
この物語は我々のイメージとは異なる黒人が主人公。人種もセクシャリティもごちゃ混ぜ。料理が見えないのは我々に何も見えてないことを風刺する高等技術といえるでしょう。巧みだ！
〈キャスト〉
セロニアス・「モンク」・エリソン(ジェフリー・ライト)
リサ(トレーシー・エリス・ロス)
コラライン(エリカ・アレクサンダー)
アグネス(レスリー・アガムズ)
クリフ(スターリング・K・ブラウン)
ロレイン(マイラ・ルクレシア・テイラー)
アーサー(ジョン・オーティス)
シンタラ(イッサ・レイ)
ワイリー(アダム・ブロディ)
※2024年新作映画31本目
※2024年自宅鑑賞16本目
