このレビューはネタバレを含みます
アカデミー賞ノミネート作ですね!
売れない作家のモンクは「作品に黒人らしさが足りない」と評され、ヤケになって書いたステレオタイプな黒人小説がベストセラーになってしまう!ってお話ですね。
うん、流石作品賞ノミネート、面白かった!
主人公のモンクは黒人作家だけど、インテリで嫌味ばっかり言うこじらせキャラ。
ラッパーにギャング、ドラッグの売人、迫害され警官に殺されるステレオタイプの黒人像にウンザリしている。でもそれが世間に受ける、白人が見たい黒人の物語ってことですね。シニカル!
黒人に限らないですよね。ゲイや障害者がいい人とか、ラテン系は陽気でアジア人は商売してるとか、チアリーダーは美人で意地悪とか。思い込みは良くないってわかってても色々あるなあ、と考えさせられる。
大人気になってしまい、苦悩するモンクが正体がバレないように振る舞うくだり、コメディタッチで楽しい。
世間に正体がバレるラストを想像しながら見ていたけど、それを期待しちゃう「映画のステレオタイプ」も裏切りにかかるラストもなるほど、鮮やかでした!
「こういうラスト、想像してたでしょ?」っていう製作者の声が聞こえるような、気がしました。そっかーラスト、彼女とくっつけないとかあるんだ!w
しかし、面白いしアカデミー賞ノミネート作なのに劇場公開無しの配信スルー。洋画人気の凋落ぶりが伺えて残念な気もした。
更にアマプラの日本語字幕、綴じカッコ「”」全編「?」に誤変換されているという事態でやる気の無さぶりが伺えました。誰もチェックしてないのか人足りないのか⁉︎
面白かったけど、今年の作品賞はやはり下馬評通り「オッペンハイマー」ですかね!
こういうシニカルな社会派コメディ、大好きですが、比べると去年の「逆転のトライアングル」の方が好きだったかな。
白人キャラが出版社の人もハリウッドの人も頭悪そうに描き過ぎだったかな?もうちょっといい塩梅の方がリアリティあったかも。
しかし、気になる点はあっても、とりあえず楽しく、考えさせられる良作ではありました!