すずきじみい

アメリカン・フィクションのすずきじみいのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.0
監督、脚本: コード・ジェファーソン

本命と言われていた『オッペンハイマー』を破って、アカデミー賞脚色賞を獲りましたね。
関係者の皆さん、びっくりしてましたね!おめでとうございます㊗️

私は、米国に住んでないので、黒人への白人の一般的なイメージは?とか、黒人にもいろんな人格があって、白人が思ってる様な格差や差別において、社会的弱者じゃない人もいるかどうか、事実は分からないですが、日本にも似た様な事象があると思った。

私は、NHK教育の『バリバラ』という障害者が主体でやってるバラエティ番組をよく観てたので、
障害者だからって明るくて真面目で前向きじゃないよ
とか、
障害者だって悪い事を考える人もいる、
性欲が強い人もいる、
健常者と同じでいろんな人格がある、

と教えられてたので、
『岬の兄弟』
を観た時に、「これは生身の障害者を描いた傑作だ、片山慎三恐るべし!」
と思ったのだけど、多くの視聴者が、
障害者が不法行為をしてる事に嫌悪感を感じてると知って、本作のテーマと似た様な感じ、
人々は、社会的弱者をステレオタイプのイメージに閉じ込めておいて、同情したいだけではないだろうか?
障害者を描く時、美談以外は観たくないと思ってるんじゃないんだろうか、
と大変、意地悪な事を思った。

ただ、本作は、『岬の兄弟』みたいに強く問いかける様な攻撃的な、急先鋒な描き方ではなく、ブラックで上品なので余計に皮肉を際立たせてて、上手いなぁと思う。