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アメリカン・フィクションのmorettiのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.0
今回の米国アカデミー賞、生まれて初めて生放送で観ました!
今までは会社で仕事しながら(たいがい月曜の午前中)受賞情報に一喜一憂している感じでしたが、96回式典は有給休暇とって茶の間でコーヒーとパン片手に楽しみました。ホントは酒盛りしたかったけど。

(知らなかったけどデューンの陰で先行上映やってた「関心領域」は先に観ておきたかったな)

そんでわたしなりに情報収集して初めてガチ予想もしてみましたよ。
短編の3部門(実写・ドキュメンタリー・アニメーション)はまったくノータッチの20部門の予想で、結果は18部門で的中、いえーい。ま、穏当な結果と言われてますけど。
外したのは脚色(バービーで予想)と主演女優(リリー・グラッドストーンさんで予想)…脚色はグレタ・ガーウィグさんにオスカー獲ってほしかったなぁ。

それでこんにゃろうと思って脚色賞ウィナーの「アメリカン・フィクション」をアカデミー賞直後に観ました。
式典で映っていたジェフリー・ライトさんがスキンヘッドにサングラスに髭姿で竹中直人にそっくりだったのもなんとなくの理由。
 
そうそう、直近でアマプラにあがってた「羊たちの沈黙」も字幕ひどかったですけど、「アメリカン・フィクション」もなかなかでしたね…“AI?に翻訳させてるんですか?兄弟も途中から入れ替わるし…
 
ま、そういうノイズを差し置いても楽しかったです!
もっと皮肉に満ちたゴリゴリのコメディと思ってたんですけど、アレクサンダー・ペインとかジェイソン・ライトマンの作品のような、社会批判や風刺をキャラクターやドラマに落とし込んだ作劇で、基本的には中年男のミドルエイジクライシスが落ち着いたトーンで語られていて、その主人公マンクの右往左往がよかったですね。
観たばっかりなのに記憶は朧ですけど、マンクが助手席ばかりにいたのは免許持ってないからかな?そのへんの非〝黒人男性らしさ?の描写も上手いと思いました。
 
もちろん、wokeや非wokeを取り巻く主人公を含めた社会のめんどくささが俯瞰的に茶化される全体の構造もよかったし、マンクの天に吐いた唾が自分の顔にかかって「くっさ!」となる風刺コメディとしてのツイスト構造(“セサミ?ストリート風)も楽しかったですけど、厄介で愛らしい人間のキャラクタードラマとしても秀逸でしね。
特にわたしは不在の父親をめぐる家族の再集合にグッときましたよ。ロレインさん超いいひと。
そして兄弟仲が良くてなにより。
 
まさにそのアカデミー賞をめぐってwokeの人たちがやんややんや騒いでいるみたいですけど、その焚きつけ報道がまたさらに視野狭窄wokeを大量再生産して…みたいな。「赤いバッジつけてない俳優は信用できない!」とかね。

それにしても今回、ロバート・ダウニー・Jrを“ロダジュ?と略しているのはじめて目にしました。
 
96回アカデミー賞、わたし的にはアニャ・テイラー・ジョイ様と雷様の“フュリオサ?コンビと、シュワルツェネッガーとダニー・デビートさんの〝ツインズ?コンビの登場にテンション上がりましたし、ジョン・シナの「衣装は大事…」には爆笑しましたね。筋肉着てるじゃん!
 
とにかくグレタ・ガーウィグさんが無冠なのは口惜しいけど、彼女の「バービー」が「E.T.」なので、いつか彼女が「プライベート・ライアン」級の作品をモノにすると信じて今日も映画館に行くぞ。
 
あ、脚色賞おめでとうございます。

今回はアマプラ字幕仕様でお送りしましたHAHAHA!
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