Blue

アメリカン・フィクションのBlueのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
5.0
終始笑いっぱなしながら、反省もしつつ色々と考えさせられました。

少し前に図書館に行って数年前受賞した本屋大賞受賞した小説を読んだのですが、これは本当に本屋で働いてる人達が選んだ本なのだろうか?小説というより字で書かれた漫画ではないかと疑問に思う事がありました。
この映画でも純文学作家でもある主人公が逃亡中で本を書いたという設定で、半ばジョークで小説を書き上げるのですが、もし自分がその本を読んでこれは作者がふざけて書いた本だ、と見抜けるか自信はないですねw。
これこそ一度落ちたら抜け出せない、アメリカのリアリティでヒューマンドラマでもある。
ヒューマンドラマとは全てをさらけ出した作品でこれは真に体現した見事な小説だ、と言ってそうです。

アンソニーホロビッツのカササギ殺人事件という小説だったと思うけど、イギリスの一週間の間にやるテレビドラマの70パーセントは殺人が絡む警察/犯罪もののドラマだという事が書かれていました。
日本もたいして変わらない上にストリーミングでよりそのようなドラマ/映画を見る機会は増えたかも知れない。
そうなるとドラマや映画自体に差別を助長する構造があったりする。

小説の世界もおそらく同じような比率で犯罪ものの本が圧倒的に出版されてるのが多いと思うし、現に自分の本棚の6割はアガサクリスティをはじめとする推理小説だったりする。
「殺人が軽い娯楽」になっているという事実は問題ではあるな、と映画を見ながら思いました。
こうなると自分はまともではなく、偏見を持ってる人間の1人だと認識しつつ世界と見る方が良いとあらためて感じました。

人間にはどうしても視覚的情報でまどわされてしまう事がある。背が高い人がいたらバスケやってたのかなと思ってしまうし、電車で見た目はゴツいけどSNOOPYのシャツを着ていたら隣に座ったりするのは躊躇したりすると思います。
人種、肌の色、最初は誤解生じてしまう可能性はあるが、コミュニケーションをとりながら理解する事。
実に色々な事をあらためて教えてくれながら見ている自分達も笑い飛ばしてくれる良くできたコメディ映画でした。

ハリウッド映画の日本を描いた映画のほとんどが間違っています。でもブラッドピットが新幹線の中を走れば、間違っていてもそれをツッコむのは野暮というもので、その設定を受け入れた上で楽しむ能力がある。
だが度が過ぎるといい加減にしてくれと思う。

ここ最近、ディズニープラスの将軍というドラマが流行しているようです。自分も夢中で見ていますが、やはり軽い娯楽も良いが本物のヒューマンドラマは国も人種も越えて胸に響くものがある。あれこそ本物のヒューマンドラマですw。

本物のヒューマンドラマとは全てをさらけ出した作品です。俺は常にリアル路線でそんなドラマが大好きだし本物が大好きです。



ファ××××ーーーック!!
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