黒人差別に配慮しすぎてなんか世の中おかしくなってないか？っていう警鐘を鳴らすブラックコメディ。
黒人を尊重しようと言いながら、エンターテイメントとして消化する白人たち。
主人公(黒人)がヤケクソで書いた、ステレオタイプな黒人像を詰め込んだクソ小説を崇める白人編集者の軽薄さが最高。
そしてお金欲しさにそれを受け入れてしまう黒人側もどうなのっていうところがちゃんと描かれているのも良かった。
常々思ってたんですけど、白人とか黒人とか分類することがもうおかしいんだよな。
なんでひとつの人類として見れないのか。
本作にあった本屋の黒人文学の棚の話がいい例。
人間を分けていいのはスポーツと医療の分野だけだと思ってるのだが(体の作りが違うのはしゃーない)。
ジャンルはコメディとなっているが明るい！楽しい！ドタバタ劇！ではなく、このどうしようもなく滑稽なシチュエーションを冷静に描いている。
主人公の私生活は親の介護やお金の問題など、人種問わず誰もが直面するような困難がある。
彼にとってのリアルは刑務所・ヒップホップ・ドラッグ・警官に撃たれて死ぬことに怯える毎日ではなく、この生活なのである。
黒人にもいろんな人がいて、そのすべてを受け入れるのが本当の尊重なのでは？という話。
いいセリフがたくさんあって、主人公の兄が主人公にかけた「みんなお前を愛したがってる。愛してもらえ。」っていうセリフが特に好きだった。
「ストリートっぽい格好で来いって言っただろ」
「着てきたよ(←きれいめカジュアル)」
「セサミストリートかよ」のやり取りは笑った。
あと音楽が良いのばかりでApple Musicで保存しまくりました。OPもかっこいい。
