このレビューはネタバレを含みます
認知症の母親の施設の費用、妹は急死してしまい、疎遠の弟は好き勝手生きてて頼りにならないし、自分の本は全然売れないし•••っていう主人公。
彼が世間のイメージするステレオタイプな黒人を主人公にした小説を適当に書いたら、これがあれよあれよという間に売れてしまい、作者の自分も周りに流されて指名手配設定にされてしまったりっていう風刺コメディ。
映画化を持ちかけてきた白人達のステレオタイプをグリグリねじ込んでくる態度にブチ切れて、タイトルを4文字にして映画化できないようにしようとしたのに快諾されるところ笑っちゃったわ。
他にも色んなネタをふんだんに乗っけてて、マイケル・B・ジョーダンだったり、白人3対黒人2で賞の1位が自分の本になってしまったり。
世間に迎合してるという意見を言った女性作家に対して一瞬わかってるじゃんと思いながらも、そういえばこの人も迎合してるやつ書いてなかったっけ?ってなるのだけど、この本とは違うっていう理由がしっかりした取材をしてるからっていう理由も何だかなぁっていう。
最後の映画化のクライマックスをどうするのかっていう話を白人の監督としているけど、結局いい感じのエンディングはわかりづらいと没になって、会場に突入したFBIに撃ち殺されるエンドが爆ウケするところまで徹底してて凄いなと思った。
ただ、この作品の風刺部分は殺傷力高めだけども、並行して描かれるのがモンクの家族のドラマで、認知症の母親の施設入所や姉の急死、ソリが合わない弟•••といった、これが全然普通のどこにでもいそうな家族の話なのが良い。
この温度差が作品のハートな気がした。
観ている間は笑えるシーンが多くて楽しんでいたけど、終わってから、偏見とかそういう自分はどうなんだっていうのを考えてしまったな。