Ken

アメリカン・フィクションのKenのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.9
2024年5本目。
最後の映画監督との会話による畳み掛ける感じが最高な面白い。

ステレオタイプな黒人小説をふざけて書いたら、やたらと評価されてしまうというお話。

あらすじを読んだ感じがっつりコメディかと思ってたけどそうでもなかった。
随所に皮肉たっぷりなコメディ的な会話があるけど、全体的にはすごい落ち着いた作品だった。社会風刺と同時に家族について描いたものだった。

ユーモラスなセリフがたくさんあるけど、その中にハッとさせられるようなものもある。
賞の審査の時に、黒人に対して、白人の求めるものを描くことはどうなんだと議論するところとか。
家族、人種、ジェンダー、お金、芸術、文学とか多岐に渡るテーマが散りばめられてるから、人によって印象に残る場面やセリフは異なると思った。


ピアノ音楽がとても心地よかった。作品を落ち着かせて上品にさせている。それがまた皮肉にも聞こえるんだけどね。よくできていた。ラストのキャノンボールアダレイの"Autumn Leaves"は雰囲気に合いすぎ。
正直ラストはセロニアスモンクかと思ったけど笑


笑いつつも、真に迫った要素が多く、落ち着いた良作だと思った。
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