コメディとして徹底的にシニカルなんだけど、それと並行して温かみのある家族模様も描かれるって変わった一品。
主人公が結構ヤな奴なんだけど、同時に様々に湧き出る難題に右往左往して疲弊し切ってる哀れな奴って感じで、人間味がある。
シニカルでダークな物語を目指すなら主人公はクールな強者か、無辜な弱者が最適なんだろうけど、それこそがステレオタイプの罠だ。
主人公だけでなく、大体の登場人物が善人で小粋な面があれば、悪辣で無粋な面もある。世界の持っている豊かさ、複層的な人間性がドラマに反映されてる。
一方で、そういった豊かさを湛えているのは主人公側の黒人だけで、白人は悪質なくらいにカリカチュアライズされてるのも面白い。特に、文学賞選考会での皮肉な構図と言ったら！
以上のよーな理由でとても面白く見れたんだが、最後のメタフィクション描写は、なんか、余計な気がす、、
