面白かった。苦笑いの面白さ。シリアスな現実をとっつきやすくわかりやすく見せてくれる。
が、・有色人種の・若くもない・女性、(世間一般的な負の立場×3)である私として、これをどう面白がればいいのだろう、とふと自分の感想にまで枠をはめようとしてしまっている自分にも苦笑。
近年ますます人種などが分断されてゆく気がしている。住む場所やファッション、語る言葉まで「その人種やその階層のあるべき姿」が固定化している。
その世界を、皮肉たっぷりで笑いながら俯瞰で見せてくれるような映画だった。
最後までひねりが効いていて予想外の後味。
そして音楽がとても心地よく、重くなりがちな人種親子夫婦ゲイetcの物語を重すぎない空気にしてくれる。
ネタバレ
彼は世間の黒人イメージに迎合していないところが自分の本質(ポテンシャル)のつもりだったが、「ポテンシャルについて語るということは現状に不満があるということ」と語ったシンタラの言葉に、意味のないゴミとして書いた迎合本にも意味があると気付いたように思えた。その意味の使い方がさらに予想外で面白かったのだが。FBIに撃ち殺される「パーフェクト！」なラストにも笑ってしまった。
しかしそのラストは軽いジョークのように扱われるが、これが現実なのはみんな知っている。
