小説や映画そのものだけじゃなく、それを取り巻く現代社会への皮肉が効きまくった一本。
コメディとしても観れるから笑い飛ばしたい気持ちにもなるけど、苦い後味はずっと残る。
ゲイにしろ黒人にしろ、その類型的なストーリーのみが消費される状況はそう簡単にはきっと変わらない。
誰もが批評家になる必要はないけど、世に氾濫するコンテンツにどう向き合うべきかは現代に生きる全員がもっと考えるべきなんだろうな…。
一種のディストピアものだけど、主人公周辺の登場人物たちはそんな状況を各々なりに咀嚼しているように見えるのが、かろうじての救いだった。
映画としてはワンイシューのみで突っ切った感があるけど、過度な演出に頼らない運び方には好感が持てました。