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アメリカン・フィクションのhisのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.7
正直難しい映画だなぁと思った。
それは自分がアメリカ人じゃないから
だと思う。

裕福な家庭で育ったアフリカ系アメリカ人
というのがまずなんかピンとこない。

そんな彼は常に不満を感じている。

側から見たら成功者なのだが
自分たちアフリカ系アメリカ人が
白人たちに消費されていることに
苛立ちを覚えているからということ。

彼はギリギリの生活を
送ってはいない。
お金が必要とも
思ってはいない。
だが白人たちの求める
本は描きたくない。
そしてアフリカ系アメリカ人という
くくりにとらわれない
人間の物語が描きたい。

主張は正しいのだが
それは求められていない。

彼の実家には長年勤める
家政婦がいて
妹は医者。
兄は何やってんだかわからないが
家にはプールがあるし別荘もある。
新しくできた恋人は弁護士だ。

あまりにも上流だがけっして
映画はそれを着飾ることはない
当たり前の姿として描いている。

そんなモンクが
クソ小説を書いて批評をしようと
典型的なアフリカ系アメリカ人の
ギリギリの生活を送る
ステレオタイプな物語を書いたら
白人含めアフリカ系もその物語を
迎合し社会現象に。

根本的に何もかもを無意識に見下しているモンク

アフリカ系アメリカ人として
より高みを登りたいと
優れた自分が導くんだと
思っているモンク。

はっきりいって
善の押し付けなんすよね。

ただそれを自然に考えているから
そういう教育を父親から
受けていたと物語は言及している。

同時に確かに慈しみの心もあり
悲しむこともあるし
人の心も持っているわけで

地につきまくってるからこそモンクの歪みが如実

作品が問題提起する社会問題

アメリカそのものの歪みに
警報を鳴らそうとしているのだけど
同族が同族を馬鹿にしている。

2018年のアメリカの大ヒットヒーロー映画
『ブラックパンサー』でも
同じようにアメリカの
アフリカ系アメリカ人の
アフリカ系アメリカ人に対する
差別意識。
手を取り合っていくべき存在が
それそのものを嘲笑うようにしているという
絶大な歪みを感じた。

映画の監督などについては
自ブログで書きました。
https://wp.me/pag5BM-445
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