藍住

アメリカン・フィクションの藍住のレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.0
黒人である自分の人生と世間が求める黒人の姿の差に主人公は怒りを感じているけど、そこには逆に差別をしている視線もあって、ではどうすれば良かったのか?と考えて出した答えがラストのアレなの、映画の構造も含めて世知辛すぎて痺れた。

白人は多様性という言葉を強調しつつ、そうやって黒人に正解を選ばせる。
差別をしてないとポーズを取りたがる。
それを心の底から馬鹿馬鹿しいと思うけれど、その馬鹿馬鹿しさが罷り通る世の中が虚しくて、だからあのラストなわけで、良い意味でお手上げ状態です。

終始「お前もそうやって消費していないか?黒人の俺たちを?」って指を差してくるので、観ていて居心地は常に悪い。
その居心地の悪さを感じることは正解で、忘れてはいけないことだよなとも思った。

ジェフリー・ライトが本当に良くて、「こんなに色々な彼を観ちゃっていいんですか!?有難う!!」と感謝感激が止まらなかった……。
ジェフリー・ライト、コミカルな演技もシリアスな演技もブッ刺さりすぎてやばい。声も良いし……。
絵本の読み聞かせして欲しい。
藍住

藍住