たしか賞をとったよね？さすがと言う感じ。以下少しネタバレ。
あらすじ的にコメディかな？と思って見始めたら全然そんなことはなく、認知症の老人が出てくるシーンで祖母が重なりストレートを食らってぶっ倒れた。タクシーが後から来た白人だけ乗せるとか綴りを間違えられた名札が出てくるとか、そういうところで差別を見せてくるのがうまいなと思った。主人公も主人公で家庭にそれなりの問題を抱えているのが面白い。家族が全員医者で、お手伝いさんがいるくらいには裕福だったっていうのも「ステレオタイプで括って見ようとする人々を嫌う主人公」に説得力を与えている。
しかし今まで観てたストーリーは実は製作中の映画の脚本だとわかるところで一気に主人公に対する信頼が崩れる気がした。家族の話もどこまで本当なのかわからなくないか？？？どこまでが脚本でどこまでが現実なのか。「白人が現在にも渡る差別行為の贖罪(と自己満足)のためコテコテのストーリーを好むことに問題提起をする」という今のショービズ/多様性に重なるテーマすらフィクションとして消費しようとする、というのがまさに「アメリカン・フィクション」そのものであり、非常にアメリカ的であると個人的には感じた。ズレてるかも。これもこれでステレオタイプでアメリカを見てる可能性大なので。
