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異人たちのohsのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
3.9
この映画を見るまでは、イメージの中で家族、他人、それらと会話するという行為に特別意味を見出せなかった。どれだけ自分に想像力があったとしても、想像の範疇を越える刺激や、他人に心を揺さぶられる危険さのないものは、結局自分に都合の良いものになるはずだと思っていたから。それは自分の解釈を曲げることになるし、現実逃避でしかないと思っていた。
じゃあアダムは現実逃避をしていたのかというと、確かに部分的にはそうだったのかもしれないけど、動機はそうではない気がした。自分の性や両親との死別で絡む心は、自然と想像させていたのかもしれない。アダムはそうなりたくて同性に性的指向を持ったのではないのと同様に、想像したくて家族と一緒に生きたのではないのかもしれない。それはあくまでも自分自身との対話で、そのインターフェースとして想像の中の父と母と会話していたんだろうね。
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