サルサ

異人たちのサルサのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.3
号泣した。素晴らしかった……

大林版と大筋は同じ話でありながら、アンドリュー・ヘイ的には『ウィークエンド』をなぞる作品になってるのがすごい。ただし、大林版にあった怪奇映画的側面が薄くなった代わり、クィアな要素が加わったことでより孤独感と寂しさが強調される作品になっており、自分にはそこが突き刺さった。ただし、それぞれ別の意味ではあるが劇中に出てくる「恐怖」という点ではある種繋がるところもあるのかな、とも考えたり。

撮影の美しさも印象的で、ビルから見下ろす街の美しさがなお孤独感を深めるものに感じられたりした。キャスト陣もアンドリュー・スコット、ポール・メスカルのそれぞれが繊細さを確かに感じる演技をしており素晴らしい、ポール・メスカルは本当にいい役者だと思う。ジェイミー・ベルとクレア・フォイの両親にも泣かされた。

総じて現代版リメイクとしてこれ以上ない素晴らしいものになっていたと思う。見て良かった。
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