うそん

異人たちのうそんのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
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12歳の時に両親を事故で失った脚本家のアダム。
昔の写真を見てふいに訪れた、子供の頃の自分の住んでいた家で当時のままの両親と出会う。

時同じくして
同じマンションで暮らす下の階の住人ハリーが、ウイスキーを持ってきて「一緒に飲もう」とチャイムを鳴らして尋ねてくる。


うそーーーん
全く同じやー〜ん
昨日復習していた「異人たちとの夏」

冒頭アダムが出てきた瞬間、心の中で、
よっ風間杜夫!
ハリーに名取裕子!
などと茶化してみたが、ほとんど同じ作りに山田太一へのリスペクトを感じた。




こちらはアダムが男性を愛するクィアであることから、カミングアウトした時の母との感情のやり取りがさらに複雑ではある。



アダムには友だちもおらず、より孤独が強調され、恋に落ちた後、そして恋を失った後、両親とまたお別れした後の悲しさが強めに胸に迫ってきた。



浅草に感じたノスタルジーを得るのとはそりゃ違うが、
パパのセーターの柄やママの作ったお菓子の素朴さが、やはり胸をきゅっと締める。
80年代。



ずっと画が美しくて
色調が好み。
冒頭の空とかずっと見ていられると思った。
画面は最初っから孤独だった。
でもあのマンションには死の匂いがプンプンしてた。
うそん

うそん