すずす

異人たちのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

異人たち(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

名テレビ脚本家・山田太一の原作小説を基に、舞台をロンドンに置き換えた英国映画。

昭和に活躍した名テレビ脚本家が珍しく書いた小説で、市川森一の脚本、大林宣彦監督で作られた映画は88年のキネマ旬報3位。

さて、リメイクの出来映えは------
先ず、良い点は両親との和解という主題表現は、本作のゲイ、本作の登場人物風にクィアの設定でより説得力が増している事。早逝により、息子に迷惑をかけた両親に、更に、息子への理解不足がある事で、更なる距離感が加味されている。

しかし、88年の松竹版に愛が深い私には、全般とてもフラットに思えました。

野暮を承知で比較すると、
松竹版で最も見所となっている(昭和)レトロ感の面白さは、皆無。湯気の上がるすき焼き鍋に消えゆく両親は無理でも、別れの場面では見所を作って欲しかった。低予算にしてもロケ地はちゃんと選んで欲しかった。
また、松竹版の恋に堕ちる異人が実は化け物で最後に現れるホラーファンタジーの見せ場も皆無。時々ある夢うつつに安っぽい映像があるだけにはガッカリさせられました。

比較するものじゃないんですけどね…
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