カイト

異人たちのカイトのネタバレレビュー・内容・結末

異人たち(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

漂うように進んでずっと掴み所のない映画だった
目の前にいる人が例え肌を重ねた人だとしても、亡くなった人と不確かさはさほど変わらないのかもしれない
そんな曖昧な者だからこそ最大限の愛情で満たしたいと思う
だからこそ彼らと関わりを深めることで未来への希望を見出す
その未来に想う人がいなくとも抱きしめながら進むコトで眩い光を放つ
そんな風にラストを受け止めたいと思う
アダムとハリーの関連性は生々しいながらそっと寄り添っていて2人ならきっとうまくいくと思えるからこそ、ハリーがこの世にはいないと判明したときは胸が締め付けたれた
そして、こんな形で見つけられたくなかったと独白するシーンは彼がぼやけていくように見えて不思議な感覚だった
レストランでの両親との別れは寂しさは拭えないもののしっかりと別れが告げられて良かったとつくづく思う
その時のアダムの前に置かれる3つのコップが悲しすぎる
また怖いと言いながら怯えるハリーを見つめながら自らの寂しさを堪えながら流す涙が美しかった

夢が現実か分からないなか愛する者がベッドから消えていくシーンと父親にいじめられて泣いていたことを告白したシーンのアンドリュー・スコットの演技は大人にも子供にも見えて、そしてエモーショナルで心が震えた
シャーロックのモリアーティーなど悪役の印象が強いがネトフリドラマ「リプリー」も含めて彼の印象がどんどん刷新されてきている
味わい深い作品だった
カイト

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