カシス

異人たちのカシスのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.2
原作は未読。
自分は未だ両親は健在であるものの、ゲイであるが故の孤独感や愛への渇望は身に覚えがありまくるので、他人事だと思えず感情移入しながら最後まで見入ってしまった。
多くは説明を語らず、音や映像で説明する作品作りがとても好み。アダムが暮らすマンションの窓から広がる空の色や、薄暗いクラブで光る極彩色、歪んだ景色。果たしてこれは現実か、それとも幻か。作中のアダム同様、観ているこちらもわからなくなる。
不器用にもだんだんと心が通じ合っていくアダムとハリーの交流も、艶かしい交わりも。自分的にはとても好感触。
かつての価値観のままの父母と、現代を生きるアダムとのズレた価値観、そしてそれをぎこちなくも受け入れていこうとするやり取りにも涙。
カシス

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