なだ

異人たちのなだのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
3.8
前情報無しで観られたのはラッキーだったかもしれない。

山田太一原作と映画「異人たちとの夏」も含めてあらすじは読まなかったので余計なイメージに邪魔されなかった。
パズルのピースが欠けている部分を推理するように作品に惹き込まれました。

一人だけ異世界に居るような孤独を感じられた。
人間は弱った時ほど1人では生きていけないのだな。

主演アダム役のアンドリュー・スコットは「SHERLOCK」のモリアーティ役で知っていましたが、久しぶりに観た彼は良い年のとり方をしていましたね。

クィアではなくゲイというアダム。1人の人間の孤独とマイノリティによる身の置き場のない孤独感がとても伝わってくる。

「アフターサン」のポール・メスカル扮するハリーがとても優しい男で、2人がパートナーとして惹かれ合う姿が自然な感じがして良かった。


映像の雰囲気もありますが、この2人の慈しみ寄り添い方に泣けてくる。
時空を越えるイメージの映像も素晴らしかった。

脚本家のアダムの両親を題材にした物語が現実と虚構を行き来している感覚が不思議。

私には良い作品でしたが、隣の映画好きそうなおじさんがエンドロール早々に立ち去ったので合わない人もいるのかな。




↓ネタバレ⚠









若すぎる両親に違和感
観ながら重要なピースが抜けていると思ったら両親は他界してたのですね…そうだったか。

アダムもこの世の人ではない気がした。
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