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異人たちのlololoのネタバレレビュー・内容・結末

異人たち(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

アンドリュー・スコットが主演の映画が日本で公開されるなんてサイコー!、という情報しか仕入れずに見たので、(多分)全員死んでそうなファンタジーでびっくりした。なんせ最近のファッションが70-90年代風になってるから、アダムの両親の服装にも最初違和感を覚えなかったし。

本当に何も知らずに感じたのは、「この映画を作るって作業は、その人にとって癒しや慰めになったんだろうな」ということ。普段は何か見る時に監督のことなんか考えないんだけど、本作ではそう思った。
「寂しさとゲイであることは関係ないよ」みたいなセリフがあって、いやほんとそうだよな…となった。
ちなみに後で調べたら、アダムの両親の家は監督本人が本当に幼少期を過ごした家らしく(ご両親は現在とか)、あの家を描く時のなんとなくのじっとりした暖かさは情が故だったんだなと思った。
親が生きてるうちに“死んだ親との再会”っていう映画を作ることは、多分癒しや慰め、心の備えになるんだと思う。

ちょうど最近「宝石の国」を一気読みして、仏教っぽい概念に触れた後だったから、キリスト教圏では終わり形(天に召される仕組み?)はこういう風に描かれるのか〜なんてことに思いを馳せた。

ハリー役のポール・メスカルはなんか見たことあると思ったら「アフターサン」のお父さん役だった。
アダムの両親を演じた二人がアンスコのことを本当に“愛おしい息子”として見てる瞳が優しくてグッと来た。
演者4人とも素晴らしかったな…。派手な演出はないしほぼ室内の会話劇なのに、ずーっと飽きずに時計も気にせずに見ていられたのは彼らの力も大きいと思う。
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