ぽんぽこ

異人たちのぽんぽこのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
3.0
最近観た『異人たちとの夏』は何気無くHuluで目に付き観たのですが、NHKの休日のほっこりニュースや、夕刊にも、『異人たち』が取り上げられていました。
亡くなっているはずの両親に足繁く会いに行くなどは同じだけど、似て非なるものでした。


40歳の脚本家アダム(アンドリュー・スコット)はロンドンのタワマンに暮らしており、両親を12歳の時に交通事故で亡くしています。
ある日、1人の男性が日本のウイスキーを持って訪ねてくるのです。
彼はハリー(ポール・メスカル)と言い、このマンションには2人しか住んでいない。
一緒に飲まないか?と言うのですが、初対面だし、ていよく断ります。


初対面の人がいきなり来たら普通警戒しますわな。

脚本家のアダムは両親の物語を題材に書こうとしている事もあり、子供の頃に家族と住んでいた、郊外の一戸建てを訪ねます。
すると、死んだはずの両親が温かく迎え入れてくれ、夢のようなひと時を過ごしました。
ぼんやりしながら、マンションに帰り、エレベーターでハリーに会い、前回断った事を詫び、誘うとハリーはアダムの家に訪ねて来てくれます。
ハリーは、アダムをクィアだよなと言い、徐々に親密になる2人。
無理強いしないハリーに人と距離を置く癖のあったアダムも、打ち解けるのに時間はかかりませんでした。

子供の頃のイジメられていた事を吐露し、両親がいっぺんに突然亡くなり、気持ちをどこにも吐き出す場所の無かった孤独な少年時代、、、



母が別れ際に今いてる人を大切にしなさいみたいな事を言っていたのも、全部アダム自身が常々潜在的に思ってる事なのかな。
辛かった過去は消せないけど、昔と今は違うよね。
過去に縛られてたら、人生もったいない。




映画を観た後に、横の『壁の穴』で、カルボナーラを食べて、先週食べた本場イタリア人が作るカルボナーラは生クリームを使っていなくて、極太マカロニで生ハムのせいか、塩辛くて水が無いと無理なカルボナーラで、『異人たちとの夏』と、『異人たち』はこれに似て、別物やなと思いました。
つまり、『異人たちとの夏』は、すき焼きや甘くないアイスクリーム、浅草、ランニングシャツ、キャッチボール、風俗の呼び込みといった、ノスタルジックなのが、理屈抜きで日本人の私の心に響くのでした。
『異人たち』は現代ならではの題材や、クラブとか、マリファナとか、タワマンとか、現代的な仕上がりなのが印象的でした。
ぽんぽこ

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