ヤマ

異人たちのヤマのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.0
ロンドンのタワーマンションに暮らす脚本家のアダムは、ある日訪れた郊外の生家で30年前に亡くなったはずの両親と再会する。一方でアダムは同じマンションに住む謎めいた青年ハリーと出会い、関係を深めていく。

故人との再会や邂逅の物語。そのつくりやポール・メスカルの存在もあって『aftersun/アフターサン』との類似をつい想起させられる。劇中を占める親密な空気と隣り合わせの孤独が、なんとも切なくエモーショナルな印象を与える。

マイノリティであるアダムは、死者との出会いを契機に、過去にようやく折り合いをつけ前に進む。All of Us Strangersこの世ではみな不慣れなよそ者に他ならない。「異人たち」とは、死者ではなくむしろ生きている全ての者であることが示唆される。
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