「火事のアラーム、大変だね
このアパートあんたと俺しか住んでない」
「確認だけどクィアだよね」
「そうだな.....ゲイだよ
クィアって呼び方には慣れなくて」
「でもゲイって言葉は使われすぎだ
髪がゲイっぽい、服がゲイって
クィアの方が上品な響きだ
フェラとかしないって感じ」
「everything is different now 」
「いじめられてたのか?」
「まあね」
「何をされた」
「女って呼ばれたり
トイレに頭を突っ込まれたり
画鋲を刺されたりした」
「酷いな 子供は残酷だ
だがお前が部屋で泣いてるのは知っていた」
「どうして部屋に入ってきてくれなかったの」
「どうしていじめのことを話さなかった?」
「先に答えてよ
正直に」
「父さんがお前の同級生だったら
一緒にお前をいじめてたと思うからだ」
「そうだろうね」
「10代の時、いや20代になってからも
よく家族の姿を想像した
3人で買い物をしたり
ロンドンに遠出したり」
「ディズニーランドは?」
「14の時に行ったよ」
「そして毎日喧嘩するんだ」
「ちゃんと仲直りはできてた?」
「仲直りは必要ないんだ
家族だから
一緒にいればどうでも良くなるんだ」