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異人たちのkeecoliquoriceのネタバレレビュー・内容・結末

異人たち(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

大林宣彦監督「異人たちとの夏」は、子ども心にとても心に刺さり、特に親子3人で外食する場面はぽろぽろ泣いた記憶があるので、本作の同じ状況ではついその大林版の映像が脳裏に広がってしまった。

ただ、大林版は最後の、えーっ!お岩さんと伊右衛門的ホラー炸裂😱!?という展開だけ、別物のように記憶されている。


なので、本作の静けさは切なかった。そもそも主人公の友人や仕事先の人たちとかが一切出てこないので、クラブの場面以外は終始静か。

クラブでの、時系列感覚が狂ったり、ハリーのことが見えたり見失ったりの描写は、グロさが抜けたジェイコブス・ラダーみたいな感じがした。

穏やかだけど、常に孤独な空間。主人公アダムの設定がいっそう、孤独感を強める。家族との思い出より、ハリーとの関係が重視された内容で、でも脳内にはすぐに大林版「異人たちとの夏」が現れるので、なかなか今作をまっさらな気持ちで素直に観る、ということができなかった…。
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