サトシ

異人たちのサトシのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.2
山田太一の長編小説「異人たちとの夏」をアンドリュー・ヘイ監督がメガホンを取ったファンタジーロマンス映画。R-15指定。

12歳の時に交通事故で両親を亡くし、孤独な人生を歩んできた40歳の脚本家アダム。ロンドンのタワーマンションに住む彼は、両親の思い出をもとにした脚本の執筆に取り組んでいる。ある日、幼少期を過ごした郊外の家を訪れると、そこには30年前に他界した父と母が当時のままの姿で暮らしていた。それ以来、アダムは足しげく実家に通っては両親のもとで安らぎの時を過ごす喜びを感じていた。その一方で、彼は同じマンションの住人である謎めいた青年ハリーと恋に落ちていく・・・。

【キャスト】
アダム:アンドリュー・スコット
ハリー:ポール・メスカル
アダムの父:ジェイミー・ベル
アダムの母:クレア・フォイ

GWのファーストデイに鑑賞。
「異人たちとの夏」を未鑑賞で、しかもゲイの映画という情報だけで鑑賞しました。
一貫して現実と幻想を行き来する不思議な感覚にいつまでもいられる素晴らしい仕上がりの映画でした。
アダム役のアンドリュー・スコットが孤独で寂しさを滲み出していてしかもいつも優しい表情をしているのには魅せられました。
ハリーと2人しか住んでいないマンションなんて、どんな事故物件なんだろうと思わせます。流石にお互いを意識せざるを得ないでしょう。
ゲイのラブシーンには苦手意識がありましたが、アダムとハリーの愛するシーンはどれを取っても表現力が素晴らしかったです。
LGBTを受け入れる社会になりつつあるアメリカでさえも、母親が受け入れない事が分かっていて言い出せない苦悩もあるんだなと知る事もできます。
両親との別れにはつい涙を誘われました。
個人的にはハッピーエンドを信じたい終わり方が好きでした。
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