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異人たちのkazuoのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
3.9
12歳の時に両親を亡くした脚本家のアダムがかつて両親と過ごした家を訪ねると、そこには当時と変わらぬ両親が暮らしていて…
原作は山田太一の小説「異人たちとの夏」で、かつて大林宣彦監督で映画化された作品。
「異人たちとの夏」は未鑑賞で、当時の宣伝とかポスターからほのぼのとした作品をイメージしてたんだけど、そっか、元々の作品は大林宣彦監督なんだよなー、って観終わってから思いました😅
そんな大林監督的ファンタジー&ホラー⁉︎色とヘイ監督の繊細な内面描写が融合した関係における理解、受容、再構築の良作でした😌

以下ネタバレありで


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なんか孤独で悩める脚本家のアダムが、あの頃のままの両親と再会して変わらぬ2人に癒され再生してゆくストーリーと思っていたら、いや確かにそうなんだけど、そもそもの関係性が少し距離感あったというか、アダムはゲイなんだけど両親は知らず打ち明けたら母は動揺して距離置くし、父はアダムが当時ゲイである事でいじめられ部屋で泣いてたのを知っていたけど踏み込んで部屋に入る事が出来ず、そうだと思ったからアダムは父に助けを求める事もなく…
な感じで当時歩み寄れなかった、距離があったものを再会により打ち明ける事で理解を深め受容し、あの時出来なかった関係を構築していくって感じのストーリーでしたね。
そしてケリーの存在。彼によって孤独だったアダムは愛を知ることになるんだけど、なんかその存在に違和感あるなーと思っていたら、出会いの日に自殺していて彼も幽霊だったのね💦で、それが判明する時のシークエンスの怖いこと😰
でもアダムはまあ存在を超えてケリーを受け入れるんだよね。これって究極の多様性を示しているなーって思ったけど、ひょっとしたら他に選択肢のないアダムの絶望的な孤独を示しているのかな😨と思ったりして💦
というわけで奥行きあるが故に良い意味で歯切れの悪いヘイ監督らしい作品でした🎵
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