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異人たちのAONIのネタバレレビュー・内容・結末

異人たち(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

カメラが引いていき、星空の輝く星の一つになるラストは素敵だった。
両親との再会や交流が「思い出の再生」ではなく、「物語の続き」であることが本作品の魅力だろう。生前の両親とは果たせなかった「主人公の告白」や「父親からの詫び」にはグッと心を揺さぶられる。

同一原作の邦画「異人たちとの夏」も観たことあったので、ストーリー概要は判っていたものの、「異人たち」というタイトルのオチにはゾッとする。

主人公設定を性的マイノリティに変えたことで、主人公が抱える心の傷や孤独がより一層に強調されている。再会した両親に自分のことを告白するシーンや、子供時代にイジメられていた自分を救えなかったことを父親に詫びられるシーンはグッとくる。

交通事故で悲惨な死を遂げた両親から己の生前最期の様子を聞かれて、「(安心して)即死だったよ」と答える主人公の優しさも素敵だった。死人に対しても、こういう嘘はいい。
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