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異人たちのkenkenのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
3.9
大林宣彦版『異人たちとの夏』は両親の人となりだったり浅草の街並みだったり、日本的ノスタルジーの要素だけで十分感動出来る映画だったけど、今作は少し趣きが異なる。主軸にあるのは美化された過去の懐古ではなく、自分の性的指向や振る舞い等過去から抱えていたしこりを解いていく過程。両親との再会やハリーとの出会いによって孤独と向き合い、悲しい過去も未来も抱きしめていく決意。
設定とか展開とか正直物足りない部分も多いけど、そういうのは置いといてもラストカットの演出が素晴らしい。これはノスタルジーに浸る映画ではないのだね。
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