原作未読。
『after sun』でのポール・メスカルが降臨する瞬間が何度かあった。蟻の這い出る隙もないほどセンシティブに描かれているのを見て、これはイギリスで（ロンドンで）リメイクされたことに強い意味があるのだと感じた。
PSBの「Always on my mind」を口ずさむ母親とその目線、つられて口ずさむ父親とボルテージが頂点に達するBGM。クリスマスツリーのてっぺんに人形を飾り、三人で写真を撮るまでの流れがたまらなく良かった。PSBの二人がゲイであるという事実があるからこそ胸がいっぱいになるシーン。（きっと「Go West」がかかっても同じように泣いたよ）
『After sun』の「Under Pressure」然り、こういう形で曲に新たな命が吹き込まれると今までの感覚で聴くことができなくなってしまう。この先の人生、この曲を聴く度にあの映像が脳裏に浮かんでくるんだろう。
言うまでもなく、"ファミリースペシャル"のシークエンスは号泣だった。両親にとってアダムは異人であり、アダムにとっても両親は異人であるという自明の事実を静かにじんわりと突きつけられる瞬間。All of us strangersというイギリス版タイトルの意味について考える。
