KeiRalph

異人たちのKeiRalphのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
3.8
原作の「異人たちとの夏」は、中学時代にテレビで放送されたのを観ただけ。内容よりも、まだまだコメディアンのイメージが強かった片岡鶴太郎が出演していたことの方が違和感あったのと、モノクロの画面の記憶が強かった記憶くらいで、戦後の時代感や亡き両親との邂逅など、ガキの私には琴線に触れる点があまり無かった。

今見直せば、きっと息子側、両親側の立場でより理解できて、今作でどんなアレンジが施されるのかという視点も得られるとは思いましたが、なにぶん一時退院期間中の駆け込み鑑賞ゆえそこまでの時間的余裕無く(入院の暇な時間で出来るやろ、と思わなくも無いですが)、敢えて必要以上に先入観なく、完全新作のつもりで見ることにしました。

結果、全体的にオフビートな展開に加え、当日3本目の疲れもで始めたのか、序盤の彼氏との出会いまでは正直睡魔との戦い、そして敗戦と、開幕30分ぐらいは良く覚えてません!すいません!

ただ、その後彼氏とエエ感じになって行く過程、そして肝心の両親との出会い以降は、原作の薄い記憶との逡巡もあり、何とか補完しながら物語に順応できました。

と、理解はしつつも、全体的に原作を凌駕するほどの満足度だったか…と考えると、どうしても山田太一版との比較が頭をよぎり、当初の目的だった完全新作としての納得感は、私は得ることができませんでしたね…
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