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異人たちのmozzerのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.0
まず観る前にフランキーゴーズトゥハリウッドのパワーオブラブを聴いておいてほしいです!歌詞を知っていることでグッとこの映画に対する理解度が深まるし、印象も変わると思います。(なぜ、最後にこの歌の歌詞を字幕で出さないのかがわからない。序盤からこの歌についてのフリが出てくるし、すごくリンクしているのに。)
このストーリーでどうしてR指定と思っていたが、性描写がかなりインパクトがあったので納得した。個人的にあそこまで露骨に描く必要があったのかと思うけど。都合3シーン程Queerに関するシーンがあったけれど、1回目のシーン辺りから斜め前辺りに座っていた高齢のご夫妻がざわつき始め、結局途中退席されてました(笑)
自分の本当の思いを告げる機会もなく、突然この世を去った両親に対するどうしようもない喪失感と、永遠に理解されることがなくなってしまった無力感に悩み続ける主人公。そんな思いを持って生きことの苦しさを考えると胸が張り裂けそうになるだろうと思う。なぜならもう二度と両親には会えないのだから。
そんな時、同じ様な思いを共有する人が現れたら、そんな嬉しいことはない。
しかし、その彼は実は…。

人間みんな何かしらの孤独を持ちながら生きている。それ誰かと共有できることはすごく大切なこと。同じ思いを持っている人がいる。孤独のかたちはそれぞれ違うけれど、共感できる、してもらえる人がいる。それだけでも少し心が楽になるかもしれない。

家族との和解や恋人との関係が最後どうなるか。最後まで我慢してみてほしい映画です。

All of us strangers とは、どこまでいっても私達は結局他人であり、全てを理解することはできないけれど、自分とは違うものをわかろうとすることはできるんじゃないかという、昨今の社会状況を踏まえた上での監督からの受容と共感のメッセージだと受け取りました。

(追加)
Pet shop boysの「always on my mind」も聴いておいたらなお良し!
(因みに、パンフには英歌詞、上記2曲が掲載されてます。)
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