異人たちのキサトルのレビュー・感想・評価

大林宣彦監督『異人たちとの夏』のリメイク作。構成はほぼオリジナルに準じているが、主人公の設定に監督自身の経験が投影され、より孤独が際立つようになったその人生に胸が苦しくなる。終始多くは語らない静かな演出(特にラストは美しかった…)と品のある音楽の使い方にしみじみと涙してしまった。私はオリジナルより今作の方がより刺さる。

『アフターサン』で父親を演じていたポール・メスカル、本作でも地続きなんじゃないかという役柄で(クラブシーンあるし)、どこか遠い目をして悲しみを抱えた表情に目を惹きつけられた。