劇作家であるポールは、映画プロデューサーのプロコシュに、フリッツ・ラングが監督する大作映画『オデュッセイア』の脚本修正を依頼される。女優であるカミーユとの生活のために依頼を引き受け、ポールは執筆に打ち込むが、プロコシュが美しいカミーユに興味を持ち始めたことに気づいていない。
それから突然、愛を囁き合っていた前日までとは全く違う態度をとるカミーユ。わけがわからないポールはカミーユを問い詰めるが核心に迫ることはできない。
映画のロケのため、カプリ島にあるプロコシュの別荘に招かれたポールとカミーユ。ふたりの間に漂う倦怠感は、やがて夫婦の破綻を招き、思いがけない悲劇を生んでしまい……というお話。
昔の映画だし仕方ないのかもしれないけど、アメリカ人をわかりやすく悪役に仕立て上げたり、女性の描き方が軽かった点で冷めてしまった。
しかしモダンな建築や家具、ファッション、ひとつひとつのカットはとても洗練されていていちいち美しい。終始続く男女のだらだらしたやり取りにイライラはしたけど最終的に映画としてしっかりとした形に収まっていて感心した。