IDEAコメント休止中

アメリ デジタルリマスター版のIDEAコメント休止中のレビュー・感想・評価

4.3
『ああ、人生はこんなにも美しいのか』

空想に耽り自分の世界に浸りきりのアメリとちょっと風変わりな青年ニノの物語を主軸に、それらをとりまく人々の多様な人生を多幸感たっぷりに描写している今作はというと、キャッチコピーの『幸せになる』が的確に表していると思う。

『幸せになりたい』という願望ではなく、『幸せになる』という決意のようなこのキャッチコピーの通り、自分の殻に閉じこもらずに能動的に外の世界へ羽ばたいていく大切さやそれができる幸福をコメディタッチで美しく描いた作品。
付け加えて言うと、自分の世界を持つことを否定しないので、押し付けがましくないのも好印象なポイントだ。

高校生の時に一度観て、「なんて素敵な映画だろうか!」と思ったことを覚えている。
大学生の時、某レンタルビデオ店でたまたま見かけてレンタルしたら傷入りディスクで再生できずじまいで再鑑賞が叶わなかったが、なんとそれから月日を経てデジタルリマスター版を劇場で観られるとは感涙。
初めて鑑賞した時より遥かに色鮮やかに"人生はこんなにも美しい"といわんばかりの物語に久しぶりに心が暖かくなった。

パンフレットは1200円とちょいとお高めだが、アメリが働くカフェをあしらった洒落た表紙に、当時のパンフレットの寄稿の再掲や新規書き下ろしの評論、アメリが愛したクレームブリュレのレシピなど宝物のような記事が盛りだくさん。迷わずおすすめする。