ツクヨミ

アメリ デジタルリマスター版のツクヨミのレビュー・感想・評価

4.1
ヘンテコでオシャレだがちょっと気持ち悪いジャンピエールジュネワールド+純情要素。
ジャン=ピエール・ジュネ監督作品。あんま見れてないけど自称ジャンピエールジュネフォロワーなのでリバイバル上映にワクワクで行ってみた。
まずオープニング、相変わらずピカイチな構図美と赤緑の色味.目まぐるしいスピードで移り行く映像に笑いつつ楽しめるタイトルバックまで最高の一言。主人公アメリが誕生し少女時代を過ごす話をいろんな人物の好きなこと嫌いなことモノローグで語り尽くすヘンテコさ、あとやはり所々気持ち悪い要素が実は毒っけあってまた良い。
まあストーリーとしてはちょっとした変人アメリの幸福をGIVEする日々というか、そんなパリでのひと時をジャンピエールジュネ特有の映像美で綴っていく。独特すぎるパリの下町感が赤と緑で表現されビシッとした構図で形成、そして特筆すべきは主人公アメリの顔面にズームインするカメラワークがなんとも美しくて大好きだ。けっこうなズームイン好きだよねジャンピエールジュネ。
あと後半にかけてのコミュ障なりの恋愛アプローチがけっこう純情なのが実は良かった、初見時はあまり受け入れられなかったがめちゃくちゃ純粋で可愛い愛情表現ともうダメかもしれないという失恋ミスリードからのどんでん返し成就展開にホロっと涙が。実は"buffalo'66"バリにピュアな恋愛エンドなんだなぁと改めて好きになった。ラストの激しめカメラワークは劇中でサンプリングされてたトリュフォー"突然炎のごとく"の疾走恋愛を感じられたのもまた良いよね。
いやーしかしどこ切り取っても絵画的に美しいショットが多くてなんつっても映像美でやはり評価したくなるジャンピエールジュネ代名詞。
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