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華岡青洲の妻のぴよぴよのレビュー・感想・評価

華岡青洲の妻(1967年製作の映画)
4.2
「サマーフィルムにのって」を観たからって訳じゃないけど、彼らがリスペクトしてやまない、昭和の大スター市川雷蔵の主演作⭐️

ベストセラーになった有吉佐和子の原作も読んでるし、前から観たかったんだぁ💕

でもこれは市川雷蔵の物語というより、美しい顔した嫁と姑が、彼を巡って繰り広げた命を賭けた壮絶なバトル。

原作の雰囲気を見事に伝える緊迫の映像。そして豪華なキャスト。最初から画面に惹きつけられる。

江戸時代…憧れの美しい姑於継=高峰秀子に請われて、医師の家華岡家に嫁いだ加恵=若尾文子。優しい姑は、嫁の加恵を娘の様に可愛がる。

しかし…京都で修行中だった青洲=市川雷蔵が帰ってくると、事態は一変。息子可愛さに嫁が疎ましくなった於継は、急に加恵に冷たくなる。

医学の事しか頭にない真面目な青洲は、そんな2人のバトルをよそに麻酔薬の開発に心血を注いでいる。

動物実験は成功したものの、人間で試していない麻酔薬…なんとか開発して、苦しむ患者の外科手術を成功させたい。

そんな青洲の思いを推し量って、嫁と姑は争う様に危険な人体実験の治験者になることを申し出る。

「大事な嫁を危険に晒す事は出来ません」「姑様に何かあったら嫁として生きていられません」と互いを思いやる言葉の端々に、我こそが青州の役に立つのだと主張する思いが、エゴとして滲み出る。

美しい若尾文子と高峰秀子の顔が修羅に見える凄まじさ😱青洲はどちらを治験者として選ぶのか?嫁と姑の関係は?

原作の香りを残して、見事に映像化されていて、大好きな市川雷蔵が青洲ってとこも私にはポイント高し!医の道に邁進する真面目でどこか飄々とした華岡青洲にドンピシャです。

そして若尾文子と高峰秀子のバトルが凄まじい。2人が命懸けで競う姿は、美しいが故に怖さ倍増…モノクロの画面が緊張感を増します。

昭和の映画の底力を感じる秀作。時代を代表するスター俳優3人の共演を堪能出来ました⭐️
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