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華岡青洲の妻のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

華岡青洲の妻(1967年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

華岡青洲は江戸の名医で、世界に先駆けて麻酔薬を開発し、外科手術に成功する男。彼を支える妻の内助の功を描くのかと思いきや!

意外な展開で驚いた。

幼い加恵(若尾文子)が近所で評判の華岡於継(高峰秀子)の姿を見かけ、美しい姿に憧れを抱く。
於継が大人になった加恵を息子の嫁に欲しいと妹背の家に申し入れる。妹背家の当主は町医者風情に嫁にはやれないと思っているが、加恵の信念が祝言にたどり着く。
しかし、当の清州は京都で修行中で、紀州の実家に戻るのは2年後だった。父の直道(伊藤雄之助)も医者だが、酷く無骨な男で、器量良しの母を病気を治す代わりに、嫁にしていた。そんな父が病で亡くなる。

加恵は機織り仕事で、清州の勉学費を捻出する為の働き手として早期に祝言を挙げた事に気づき、憧れていた母・於継に不信感を抱きはじめる。

華岡青洲(市川雷蔵)が戻ると、麻酔薬の開発の為、母・於継が自ら実験台になると名乗り出る。すると、嫁の加恵はそれは私の役と、争いが始まる。結局、母が実験台となるが、清州は薬を弱くしていた為、再度、嫁の加恵が実験台とな、次は母、そして嫁と死を懸けて、女の業がぶつかり合う------

嫁姑の2人の対決は、昭和の日本のドラマの定番ですが、殆どブラック・ジョークの息で、やりすぎ感は否めない。実話を基にした有吉佐和子の原作が嫁姑を軸に、史実を改変しているらしい。
折角の永田大映の文芸大作なので、撮影、演技も素晴らしいが、品がないドラマ作りを新藤兼人らしい生々しい人間描写さと思うべきなのか?
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