失踪した妹を探すために裏社会を牛耳る謎の組織に戦いを挑む女性格闘家と仲間の姿を描くサスペンス・アクション。
主人公を演じる三吉彩花が格闘家としてのボディを作り上げてきたことに驚いた。しかも、あれほどまでのアクションを演じたことは今後の彼女の活躍を期待せずにはいられない。
そんな橘蘭に対して、圧倒的な暴力の血に飢えたサイコパスを演じる伊藤英明のキレぶりは狂気さえも感じる。ただ、相手を打ちのめすことだけに喜びを感じる二階堂が、なぜ組織の資金を奪ったのか？そこには純粋に闘う場所を欲していたからのか？それとも…その辺りは少々キャラ設定が微れてしまったように感じるのが残念だった。
個人的にはアクションシーンだけでなく、まるで『ロッキー』を観ているかのようなトレーニングシーンも良かった。物語の構成もドップリ裏社会的なラストではないことで、主人公と仲間たちの人生に救いを感じる。「正しく生きること」と「その一線」を超えない勇気に未来を感じる作品だ。
