三樹夫

サンクスギビングの三樹夫のレビュー・感想・評価

サンクスギビング(2023年製作の映画)
3.9
『グラインドハウス』発フェイク予告の映画化第二弾。感謝祭にバカが次々殺されていくのをゲラゲラ笑いながら観る景気のいいやつ。
オープンニングで、感謝祭のセールでワッフル焼き器を買い求める客が暴徒と化す。死傷者も出る阿鼻叫喚の大惨事となるが、その場にいるやつほぼ全員バカで爆笑した。この映画はキャラがグロく死ぬ様がある種のコメディになっており笑う。ワッフル焼き器を求めて暴徒化というのでコメディなんだなと分かる。他にもウエイトレスのおばちゃんの殺されっぷりは笑ったな。今の時代スマホがあるんだから助けを呼べばいいじゃんとか言う小賢しい観客(私)に対するアンサーがあり、顔認証機能もあてになりませんなとそんな訳ないハッタリかましてスマホを封じていて良かった。ハッタリのデカさでいえば人間七面鳥が一番突出しており、これを見れただけでも料金の元は取った。

感謝祭のセールで死傷者が出て、誰かがその復讐のため原因及びクズ行為を働いた連中を殺していっており、誰が犯人なんだというのが一応ある。一応というのは正直誰が犯人でもよくて、この映画の肝はバカがゲロゲログチョグチョに殺されていってそれをゲラゲラ笑うことにあるためだ。
全体のストーリー的には『ラストサマー』を想起するものでラストも『ラストサマー』っぽい終わり方だが、この映画も『ラストサマー』も若者が次々殺されていくホラーの定型に則ったものだし、元々のフェイク予告の時点で何かしらの記念日に次々殺されていくというホラーの定型に則っており、ホラーの枠の中でいかに遊ぶかというのでこんなゲラゲラ笑えるやつが出来た。ありがとうイーライ・ロス、これが私の2024年初笑いだったわ。ただ正月の朝一の回で観たら観客4人しかいなかった。
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